糖化

糖化とは?どんな変化がいつ起こる?

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糖化とは、酸化に続いて最近よく聞かれるようになった老化と関係性の強い反応のひとつです。

糖化とは血液中の糖質が身体の中のタンパク質と結合し、タンパク質を変性させたり、その反応が進むことでAGEs(蛋白終末糖化産物)と呼ばれる有害な物質を作り出してしまう反応のことです。

AGEsは人間にとって有害なうえに分解されにくく、全身のさまざまな部分に蓄積し、老化を進行させたり多くの疾病の引き金となる特徴があります。

 

糖化とは身近な反応です

ホットケーキを焼いたときにも糖化が起こっています。

卵とミルク(タンパク質)

砂糖(糖)

これらが一緒に加熱されて、こんがりとしたきつね色に変化します。
メイラード反応と呼ばれるものですが、香ばしいかおりとさくっとした食感が出来上がります。

 

同じことが体内でも起こっています

 

私たち人間は食事から得る糖をエネルギー源としているのですが、その糖には人間を糖化させるものが2種類あります。

  1. ブドウ糖(グルコース)
  2. 果糖(フルクトース)

 

ブトウ糖(グルコース)

ごはん、パンなどの炭水化物、砂糖など食べると胃腸で消化酵素によって分解吸収されると、ブドウ糖として血液中に取り込まれます。

ブドウとは身体中の細胞でエネルギーとして使われ、脳や筋肉、内臓などを動かすためや体温や代謝などあらゆるところで使われます。
人間にとってはガソリンのようなもので必要不可欠なものです。

使いきれなかったブトウ道はすい臓から分泌されるホルモン「インスリン」によって肝臓に蓄えたり、脂肪になって備蓄されます。

 

糖化するのは?

体内で使われ、余った分を備蓄に回しましたが、それでもさらに血液中に糖が残っている場合に糖化が起こります。

血液中の糖分は全身に流れて、様々な細胞のタンパク質や脂肪にくっついて反応を起こします。

 

 

ごはんを食べると

食事によって炭水化物を摂取すると、分解してブドウ糖が血液中にたくさん取り込まれます。
血糖値が上がるという状態です。

私たちの体はタンパク質の塊のようなもので、ここに糖が入ると体温によってゆっくりと加熱されて、さまざまなところで糖化が起こっています。

 

果糖

果糖はブドウ糖とは少し違った吸収をされます。
飲んだり食べたりで体内に入ると、酵素による分解などを経ることなく、そのまま腸まで行って血液中に取り込まれます。

そのまま身体中の細胞へと運ばれていくため、一部の果糖は中性脂肪やブドウ糖になりますが、それ以外はブドウ糖の10倍以上の速度でタンパク質や脂肪と糖化反応を起こします。
その結果、有害なAGEsを多く生み出します。

 

糖化によってナニが変化するの?

糖化は私たちの体にどのような変化を与えるのでしょうか?

AGEsによる体への現象

  • 硬くなり、もろくなる
  • 褐色化する
  • タンパク質の性質が失われる
  • 活性酸素が発生する

これらが細胞で起こることで劣化します。

体内で糖化が起こるとタンパク質は糖化するため、細胞は褐色に変化し、弾力がなくなりもろくなります。

そのため糖化した細胞は本来の機能を果たせなくなります。
糖化は老化を加速させる要因なのです。

 

血管を硬くする

血液が流れる血管も当然、糖化の影響を受けます。
そのため血管は硬くなり、動脈硬化の原因となります。

動脈硬化は血管の老化のようなもので、しなやかさが失われ、血流がわるくなれば末端の血管である毛細血管に血液が届かなくなります。

血液が届かなくなった細胞は酸素や栄養をもらうことができず、代謝が滞ってしまうでしょう。
お肌のターンオーバーが遅れる原因でもあります。

動脈硬化は心筋梗塞や脳卒中など、さまざまな病気へと繋がる現象です。

 

皮膚の色が変化

肌の色は血液による赤み、メラニンの量、角質層の厚さや表面の光の反射などで決まっています。

皮膚もタンパク質でできているので、本来透明なコラーゲンも黄色くなるため、糖化が起こると肌の色が黄褐色へと変化します。
これは肌のくすみとして認識されます。

また、糖化は血管にも影響を与え血流が悪くなるので、ターンオーバーが遅れるようになります。
角質の表面は毛羽立ちやゴワゴワして、表面の美しさは失われます。

 

皮膚の弾力やハリがなくなる

お肌のハリや弾力を作っているコラーゲン繊維やそれらをつなぐエラスチンこれらは、しなやかで弾力があることが大切です。
しかし、糖化の特徴であるタンパク質が硬くなり、もろくなることが皮膚で起こればたるみやシワを生み出します。

 

さまざまな場所で糖化が起こる

糖化は脳で起こればアルツハイマーの原因に、骨で起これば骨粗鬆症などタンパク質があり血液が流れている部分なら影響をうけることになります。

その他にも

  • 白内障
  • 関節症
  • ガン
  • 心筋梗塞

 

 

いつどんなときに糖化がおこる?

糖化はタンパク質と糖が結合して、最終的に糖化最終生成物が出来上がります。
これにも種類がたくさんあってまとめてAGEsという呼びかたをしています。
AGEsがとっても良くない。

AGEsは糖だけではなく、酸化や紫外線の影響で生成が促進されます。
生成されると元に戻ることはなく、体内に蓄積されていきます。

 

血糖値が高いとリスクが高い

人間は炭水化物を分解してブトウ糖として血液に流して、エネルギーとして活動しています。
そのため、必ず糖は発生するため糖化とは縁を切ることができません。

食事をするとブドウ糖が血液中に多くなるため、血糖値が高い状態になります。
身体には血糖値を下げるシステムがついていますが、それ以上に摂取量が多いとなかなか処理することができず高血糖状態が続きます。
必要以上に糖質が多いと血糖値は降下しにくくなります。

血糖値は高いほど、体内に糖が多すぎるため糖化最終生成物のAGEsが作られやすい状況です。

 

こんな時も注意

血糖値は体内に糖が入れば上がってしまいます。
飲み物やお菓子などは大量の糖が含まれているため、少し食べれば上昇します。

特に清涼飲料水は注意が必要です。
ものすごい量の砂糖が使われていて、液体なので吸収が早く急激に血糖値が上がります。

清涼飲料水500mlのペットボトルには、スティックシュガーがおよそ18本分入っています。

 

食べ物から摂取してしまう

 

実は食べ物にもAGEsが含まれています。
糖化によるダメージは最終生成物であるAGEsによるものですが、体の中で作られるだけでなく食品を食べることによってAGEsを摂取することになります。

食品に含まれるAGEsのうち約10%程度が体内に取り込まれてしまいます。
そしてこのうち7%は長期間蓄積されて悪影響を与えます。

 

こんな食材に含まれている

AGEsやAGEsになる一歩手前の物質など、あらゆる食材に含まれています。
肉類には比較的多く含有されていて、次に魚です。
野菜や果物は比較的少ないようです。

 

100g中のAGE値(生の状態)

皮なし鶏むね肉 692
牛肉 707
まぐろ 705
475
トマト 23
バナナ 9

 

調理法で変化

食べ物から摂取するAGEsで気をつけるべきは、肉か魚かどうこうよりもどんな調理法を行ったか?
このほうが大問題のようです。

100gのAGE値 調理後

牛肉(フライパン・ステーキ) 10,058
鶏むね肉(唐揚げ) 8750
鶏むね肉(フライパン焼き) 5245
鶏むね肉(皮つきバーベキュー) 18,520
2775

調理すると、とんでもなく増えるAGE値

 

AGE値増加ランキング

 揚げる

 焼く

 炒める

 煮る・蒸す

 ゆでる

同じ食材を使ったとしても、調理方法でAGEsの量が大きく変わります。
AGEは調理する際の温度が高いほど、その調理時間が長いほどたくさん作られます。

そのため油で揚げたりすると、かなりの高温で調理されることになり、生の10倍くらいにAGE値は跳ね上がります。

また、直火で調理するバーベキューなども高温です。

茹でたりする場合は、水の沸騰温度が100℃なので、それ以上高温にはならない。
そのため最もAGEsが生成されにくい調理法と言えます。

 

料理の際の手間がかかるほど増える

美味しさを追求し手間をかけるほど、AGEsが増える料理が存在します。

例:酢豚

  1. 野菜を素揚げする
  2. 豚肉を一度揚げる
  3. 2つを合わせて炒める

この場合、具材を揚げる際に高温になり、そのあと再び炒めるためAGEsがいっぱいになります。
凄く美味しいんですけどね。

 

電子レンジも気をつけたい

同じ理由から「電子レンジによる温め直し」もAGEsが増加します。

  1. 調理の際に増加
  2. 電子レンジで増加

また、温めすぎて高温になってしまうと、通常よりもさらにAGEsが跳ね上がります。

できるだけ素材の味を活かした料理が優しいということになってきますね。

 

 

食材中のAGEsの悪影響

AGEsはさまざまな種類の糖化物をまとめて呼ぶ名前で、一つの物質の名前ではありません。

  • 人体にとって無害なもの
  • 糖尿尿合併症などの進行に関わるもの
  • 活性酸素の生成に関わるもの

などさまざまなAGEsが存在します。

食べ物に含まれているAGEsは、体内で発生するものとはまた少し違います。

 

成人病や老化と関連している

食品から摂取するAGEsは、成人病の発症原因としても考えられます。

  • 心臓病
  • アルツハイマー型認知症
  • 糖尿病合併症

老化とも深く関わりがあり、AGEsを極力摂取しないことで長生きできると考えられます。

 

糖化対策を考えよう

若いうちはAGEsを代謝能力によって体内から排出することができますが、年齢と共に代謝能力は低下していきます。
そのため、AGEsは体内に蓄積されやすくなります。

また、普段から血糖値の高い人や糖尿病の人は、糖化しやすい状況にあり、通常よりも早い速度でAGEsが体内で大量に作られることになります。

 

低温調理でAGEsの発生を減らそう

揚げる、炒める、焼くといった調理法はAGEsをためやすいとされています。
もちろん生で食べるのが最も良いのですが、なんでも生では食べられないので蒸す、煮るなどの調理法で食事から摂取するAGEsを減らしましょう。

 

食べ方を少しだけ変えよう

食事をすれば上がってしまう血糖値ですが、急激な血糖値の上昇は糖化の原因です。
血糖値の上昇を抑える方法が存在します。

 

サラダから食べる

サラダなどの野菜は食物繊維が多く含まれていて、先に食べることで糖の吸収を抑えてくれるため、急激な血糖値の上昇を避けることができます。

そのあと肉や魚などを食べて、炭水化物である米を食べるのが理想です。

 

ゆっくり良く噛んで

ゆっくり食べれば摂取する糖質も少しづつしか入ってきません。
当然血糖値も緩やかに上昇します。

また、食事をすると血糖値を下げるホルモン「インスリン」が分泌されますが、唾液のようにすぐに出てくるわけではありません。
早食いするとインスリンが効果を発揮する前に血糖値が急上昇するわけです。

また、良く噛むと満腹中枢を刺激するため、満腹感が得られて食べ過ぎの予防にもつながります。

 

 

抗糖化物質を取ろう

カテキンなどのポリフェノールはAGEsの生成を抑制するといわれています。
世の中にある健康茶の中には糖化対策になるものが意外とたくさんあります。
お茶を飲みながら食事をすると良いでしょう。

また、ビタミンB群やクエン酸などの食べることで摂取できる成分の中にも糖化に効果が期待できるものが存在します。

意識して積極的に摂取したいものです。

 

 

まとめ

糖化は糖化最終生成物であるAGEsを体に入れない、作り出さない、残さないことが大切です。

体にたまったAGEsは、さまざまな成人病と呼ばれるものを発症する原因になります。
血管に与える影響は非常に大きく、動脈硬化が起これば心筋梗塞、脳梗塞へのリスクが高まります。

骨も糖化するためもろくなり骨粗しょう症の原因となります。
そのほかにもガン、白内障、認知症など糖化する部位によって病気が起こりやすくなります。

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