基礎知識

お肌の機能

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人間の肌はどのような機能を持っているんだろう?
その構造は?

肌のことちゃんと知れば、もっとキレイにつながるのでは?

 

バリア機能

肌には外からの影響を受けないように守るバリア機能があります。
その厚さはわずか0.02mmほどしかない薄い膜ですがその役割は重要です。
名前は角質層です。

表皮の一番上にある皮膚です。

 

どんな構造なのか?

角質層は体全体を包んでいますが、その厚さは場所によって異なります。
顔の場合は細胞が約20層ほど積み重なってできています。

よくレンガでたとえられ、そのすき間をコンクリートのように皮脂やセラミドなどの物質が混ざったものでぴったりと埋めてあります。
そのため細胞同士はしっかりと密着しているので、水や異物が体内に入り込むことはありません。

 

水分も守る

バリア機能には外から守るだけの機能ではありません。
健康な角層は約20~30%の水分を含んでいます。これは内側から湧き出る水分をとどめておくことができるためです。
外からの侵入を防ぐだけでなく、水分が抜けてしまうことも防いでいます。

水分は、主に肌が自ら作り出す保湿物質によって維持されています。
セラミドなどに代表される保湿物質は、細胞同士をくっつける役割と水分を保持する役割を担っています。

 

セラミドが減ってくると・・・

セラミドを造り出す機能が弱まると角質に隙間が生まれ、細胞の密着力は低下します。
そうなると表面はかさつき、内部の水分が蒸発していくことになります。

この状態はバリア機能がうまくいっていないので、外部からの刺激を受けやすくなるので肌荒れの原因となります。

正常なバリア機能を保つには、肌内部でセラミドなどの保湿成分がきちんと機能していなければいけません。

 

基底層ってなんだろう?

表皮の一番下にある薄いシート状の器官「基底層」
この器官には3つの大切な役割があります。

  1. 新しい細胞を生み出す工場としての役割
  2. 真皮とのつなぎ役
  3. 紫外線に対抗するためメラニン色素を作る

 

表皮細胞を生み出す

基底層では様々な働きがありますが、特に重要なのが表皮の細胞を生み出す工場としての役割。

細胞を作るための原料となる栄養と酸素を毛細血管から受け取り、基底細胞が分裂して新しい表皮なる細胞を作りだします。
これがターンオーバーと呼ばれるものです。

 

ターンオーバー

表皮の一番下にある基底層で新しく細胞が生まれて、およそ28日かけて角質層へと上がってきて、バリア機能を果たしたあと、垢となって剥がれ落ちる。

一連の流れターンオーバーにより、肌の表面は傷がついたり、乾燥や日焼けをしても、下から細胞が絶えず交代しているため健康な状態が保たれています。

 

ターンオーバーは遅くなる

皮膚を脱ぎ捨ててダメージを回避するターンオーバーですが、年齢を重ねるにつれてターンオーバーの速度は遅くなります。
40代になると28日程度だったものが40日かかってしまいます。

また、ターンオーバーは言い方を変えれば新陳代謝です。
皮膚をつくり、古い皮膚を押し上げて交換します。
皮膚を製造するには、栄養や酸素が必要でこれらを運んでくるのは血液です。

そのため血行不良は、そのままターンオーバーの遅れにつながります。
原材料の入荷を待っている工場のようなものです。

ストレス、睡眠不足、煙草、食生活、冷えなどが血行不良の原因と考えられます。

このように、ターンオーバーが遅くなると、傷の治りが遅くなったり、シミができやくすなります。

 

ターンオーバーが早すぎることも

逆にターンオーバーが早くなりすぎることもあります。

  • 病気などによるもの
  • 洗顔のやりすぎ
  • ピーリングを頻繁に行う
  • ホルモンバランスの乱れ

このような原因が考えられます。

ターンオーバーが早くなりすぎると、未成熟な細胞がバリア機能を不十分に備えないまま、押し上げられているため、水分の保持もできず、外からの刺激にも耐えられません。
簡単に皮がむけてしまったりします。

ターンオーバーは遅くても早くても良くありません。
健康でしっかりとした細胞が角質層を造り出すことが大切なのです。

 

真皮とのつなぎ役

基底層の役割はターンオーバーだけではありません。
真皮を守る役割を担っています。
表皮は外部からダメージを受けて傷ついても、ターンオーバーを行うことで交換されていきます。
しかし、さらに深く真皮にまでダメージを受けると完全に元に戻すことができなくなります。

 

守りの要
基底層の下には強靭で柔軟な作りをもつ基底膜があります。
とても薄い膜ですが、「表皮と真皮」この性質の違う二つの組織をしっかりつなぎ合わせ、皮膚としての機能を生み出していいます。

 

原材料の交換場所
真皮には毛細血管がたくさん入っていて、血液が流れています。
しかし、表皮には血管はありません。

表皮と真皮をガッチリとつなぎ合わせていますが、基底膜はコラーゲン繊維でできた網目のような構造によって、栄養や酸素などはすり抜けて受け渡しを行っています。

このように皮膚の原材料をうけとり、細胞を生み出します。

 

 

紫外線への対抗策

紫外線は非常に有害で、肌に当たると様々な悪影響をおよぼします。
紫外線B波は、表皮にダメージを与え、しみ、くすみを生み出します。

紫外線A波は皮膚の奥深く、真皮にまで達することにより、コラーゲンを変性させ、DNAを傷つけます。
この影響は皮膚のたるみやシワを生み出します。

また、紫外線はお肌にあたると、真皮や表皮から分解酵素がつくられます。
この酵素は、基底層を分解してしまうため基底層の能力が低下してターンオーバーが遅くなります。
結果的にシミやくすみを沈着させる原因となります。

 

メラニン色素

有害な紫外線から守るために、基底層にはメラニンを生成するメラノサイトという器官が存在します。
メラニンは紫外線を吸収する能力があるため、紫外線から細胞を守るために生み出しています。

そのため日光に当たるとメラニンによって肌が黒くなります。
メラニンという黒くて薄いカーテンによって皮膚を守っています。

 

基底層の衰え

皮膚を作り続ける基底層、素の細胞も年齢を重ねるとともに衰えが見え始めます。
基底層が衰えるとターンオーバー、いわゆる代謝が遅くなるのでそれにともなってメラニンの排出が悪くなり、沈着してしまいます。
若いころは紫外線を浴びてもシミは残りませんが、これらがシミとなって居座ります。
基底層の衰えによるものです。

基底層の衰えは加齢だけではありません。
ターンオーバーするための材料、タンパク質などの不足や血行が悪いことで酸素や栄養が不足するなどで肌のトラブルが起こることもあります。

食生活や適度な睡眠、正しいスキンケアなどで健康な肌を保つことが大切です。

 

表皮の下にある真皮

真皮は主にシワ、たるみ、はり、みずみずしさなどの言葉で表現される皮膚の状態に関与している部分です。

外からの刺激に対して守るのが表皮で、真皮は丈夫で弾力性に富んていることから衝撃を吸収するクッションのような機能を担っています。

この真皮を構成している成分ですが、こまったことに20歳を超えると徐々に減っていくと考えられており、若いころから老化は始まっていると言えるようです。

 

 

ハリと弾力の源「線維芽細胞」

 

肌にハリや弾力があるのはコラーゲンの線維エラスチンというゴムのような線維でつなぎ合わせ、そのすき間をヒアルロン酸などのゼリー状の物質で満たしています。
それぞれが機能することによって若々しい肌が保たれています。

これらのコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などを生み出しているのが線維芽細胞です。
肌のハリや弾力の元を作り出す工場です。

 

工場が衰えるとどうなる?

年を取ったり、紫外線を浴びることでこれらの構造すべてに影響が起こります。
コラーゲンは硬くなり、衝撃で壊れます。
エラスチンの弾力は低下するので各所でたるみが起こるのです。
ヒアルロン酸が減るので顔の内容物が減少し、皮膚がたれるのです。

このように皮膚の内側を支えていた部分が劣化するので形状を保てなくなります。
人が老化を感じる現象です。

年齢を重ねると他の細胞と同様に線維芽細胞も減少したり、働きが悪くなったりするようになります。
コラーゲンやエラスチンの生産が遅れるのでハリや弾力が失われるため、シワが見られるようになります。
この変化を実感するときは、すでに真皮内の線維芽細胞が衰えている状態です。

 

 

老化現象をさらに加速させる要因

  • 紫外線
  • 酸化
  • 糖化

これらはコラーゲンやエラスチンは変性させるので、真皮は劣化したゴムのように弾力を失い、形を保てなくなります。

ハリや弾力がある肌を長く保つには、線維芽細胞が元気であることが大切です。
そのため紫外線対策を行ったり、線維芽細胞を活性化するアンチエイジング化粧品を使うなどして予防を行う必要があります。

 

美しい肌に大切なこと

このように人間の皮膚は、さまざまな外からのダメージから守る複雑な構造でできています。
きちんと理解し守れば、いつまでも美しい肌を保つことができるでしょう。

世の中には多くの化粧品や医薬品が美容のために開発されていますが、すべては健康な肌に対して効果を発揮するものです。

基本の健康を作るところからすべては始まります。
それには人間の体の大切な基本を3つ抑える必要があります。

 

 

血流のために運動しよう

美しい肌を作るためには、「お肌の製造工場」に栄養や酸素がなければ作れません。
これらを運ぶ役割をしているのが、肌の内側に網目のように張り巡らされた毛細血管です。
血管は真皮にあり、表皮に向かって上がっていくほど細くなっていきます。

 

毛細血管の役割

  • 栄養と酸素を運び込む
  • 二酸化炭素を回収する

細胞は新鮮な酸素と栄養が不可欠です。
また、動脈のあるところにはリンパ管という下水道のような管が通っていて、細胞の老廃物を集めて流しています。
老廃物の混じった液体、リンパ液はリンパ管から吸収されて常に入れ替わっています。

そのため血行不良になると酸素と栄養が行きわたらなくなります。
同時にリンパ管の流れも悪くなるので老廃物がたまってしまいます。

その結果、肌のくすみや乾燥が起こるのです。

 

血流をよくしよう

毛細血管の流れもリンパの流れも血流がよくなれば改善されることです。
現代人は喫煙や睡眠不足、ストレスなど様々な要因で血行が悪くなります。

そのため意識的に運動や血流をよくするような生活習慣を行うことが必要と言えるでしょう。
肌を美しく保つには毛細血管の流れの維持は必要なことです。

 

栄養も肝心

毛細血管を通って肌のすみずみまで栄養が行きわたりますが、きちんと栄養を摂取していなければ当然肌を維持することはできません。

無理なダイエットを行えば栄養は偏り、肌あれや吹き出物が結果として残ります。
美しい肌を保つためには、必要な栄養素をバランスよくとる食生活が必要となります。

 

睡眠は大切

どんなに高い化粧品を使っても、バランスの取れた食事をしても睡眠が不足していたのでは肌の調子は良くなりません。

肌が生まれ変わるためには睡眠は不可欠です。
なぜなら、主に眠っている間に皮膚の再生は行われます。

睡眠不足が続けば、再生が遅れ肌の調子が悪くなり、肌の老化も進んでしまいます。
美しい肌の基本として、最低6時間の睡眠は確保すべきでしょう。

 

 

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