皮膚は人間の全身を覆っている臓器のひとつです。
体重の約16%もあってかなり重たい臓器なのです。
外部からの刺激や細菌、ウイルス、衝撃などさまざまなモノから体を守っています。
そんな皮膚のことをちょっと知ってみましょう。
皮膚の構造
大きく3つに分かれています。
- 表皮
- 真皮
- 皮下組織
表皮と真皮の合わせた厚さ0.6~3mm程度とかなり薄いです。
また体の部分によって厚さに違いがあります。
- 0.6mm まぶた
- 3mm 背中
皮下組織の平均的な厚さは、頭部、額、鼻などで約2mmと薄めですが、大部分は4mm~9mmです。
表皮
皮膚の一番外にある表皮ですが、全体の厚さは平均すると2mmほどしかありません。
この2mmの中で4つに分かれています。
肌が生まれる順番から見ていきましょう。
基底細胞層
一番下の基底層はお肌の製造工場です。
ここでお肌の元である細胞が作られています。
表皮に存在する細胞の95%は角化細胞(ケラチノサイト)という皮膚の赤ちゃん細胞です。
作られた細胞は皮膚になるべく育ちながら上に押し出されていきます。
顆粒層や有刺層はその成長過程です。
角化細胞(ケラチノサイト)とは
角化するための細胞が角化細胞(ケラチノサイト)です。
角化とは?
生み出された細胞が、角質細胞になって角質層にいたる過程を角化と言います。
皮膚の細胞が生まれて一番外の皮膚になるまでの工程です。
角化は私たちがよく効く言葉では「ターンオーバー」というやつですね。
表皮の基底層で約2週間に一回分裂して、新しい細胞が生み出されています。
新しいものが生まれることで徐々に上に押し上げられていきます。
このとき形を少しずつ変えて約4週間で平らな角質細胞になります。
いままで表面にあった皮膚は垢として剥がれ落ちて新しい皮膚と交代します。
角質層の役割
角層(角質細胞層)は皮膚の一番外側にあり、非常に重要な役割を持っている。
- 外からの異物の侵入を防ぐ
- 水分を保持する
- 紫外線から守る
この角質は落ち葉が積み重なったようになっていておよそ10層の構造になっています。
でも重ねたその薄さは0.02mm、とっても薄いのである。
角質層に到達した細胞は約2週間とどまって皮膚を守ります。
最終的にうえから垢やフケとなって剥がれ落ちます。
生まれて剥がれ落ちるまで約45日と言われています。
使い捨ての盾なんですね。
角質層の秘密
角質細胞は最終的にケラチンという硬いタンパク質を生成することで、紫外線を吸収し、そとからの刺激などさまざまな要因から体を守ります。
ケラチンは弾力性があって水分を含んだ繊維状のタンパク質です。
真皮
真皮は表皮の下にある組織です。
真皮は体重の15~20%を占める大きな器官です。
厚さは約1mm、背中では厚く5mmほどもある。
皮膚の役割は外から内臓などを守る大切な盾の役割をしていて、真皮はクッション機能を持っていて衝撃から守っている。
肌の弾力を保ち、血管から栄養や酸素を肌に届ける役割も持ちます。
真皮は肌の土台のようなもので構成成分がしわ、たるみ、はり、みずみずしさなどと表現される皮膚の状態に直接関係する部分です。
コラーゲン線維(膠原線維、コウゲンセンイ)
真皮の7割ほどをしめる線維でタンパク質でできた、極めて強靭な線維です。
金網のように網目状に広がっています。
コラーゲンが減ってしまったり、変性してしまうと肌の弾力が失われてしまう。
これによってシワやたるみが生まれてくる。
エラスチン線維(弾性線維)
弾性繊維は肌の弾力を作り出す線維で、強靭ではありませんがゴムのように弾力があります。
コラーゲンをところどころをこの線維でつなぎとめています。
頭皮や顔に多く存在します。
それ以外では動脈や足の健など伸縮性が求められる部分に多いですね。
年齢と共に減少していくため、これもシワやたるみの原因となってしまう。
基質
真皮の線維や細胞のあいだにはジェル状の物質が入っています。
タンパク質や糖、ヒアルロン酸が含まれていて、水分の保持や線維や細胞の維持に役立っています。
ヒアルロン酸は水分保持力が高いため、化粧品の保湿成分としてよく配合されます。
線維芽細胞
肌のハリや弾力はこの細胞がコラーゲンやエラスチン、基質部分などの成分を作り続けているためです。
加齢によって、その生産力が落ちるのでシワやたるみが生まれます。
皮下組織
皮下組織は真皮の下にある層のことです。
役割としては
中性脂肪を貯めておく所
体の外からの物理的な衝撃を受けるクッション機能
体温を外気から守る断熱材の役目
熱を作る
大部分が脂肪細胞で構成されていますが、毛を生やす器官や皮脂を分泌する器官、汗を出す汗腺などを持ち合わせています。