太陽の光の中には様々な種類の光線が含まれている。
有害な光線も含まれているが、幸い地球が持っているオゾン層という層に吸収されているため地球に降り注ぐ光線はその一部である。
その中に紫外線が含まれており、紫外線は太陽光のなかに約6%ほど含まれています。
紫外線はUV(ウルトラバイオレットレイ)とも呼ばれます。
UVはお肌にとても悪いことが知られていますが、実際にはどう悪いのか?
知ってるようで知らないのではないでしょうか?
紫外線ってなんだろう?
紫外線は熱さもまぶしさも体感することができない光線です。
紫外線は4種類に分類される
- UV-A 長波長紫外線
- UV-B 中波長紫外線
- UV-C 短波長紫外線
- 真空紫外線
地表に降り注ぐ紫外線はそれぞれ波長の長さで分類されている。
波長が短いほど有害とされている。
私たちが主に気を付ける必要があるのは
- 紫外線A波(UV-A)
- 紫外線B波(UV-B)の一部
この2種類だけ!
紫外線のうち波長の短いものはオゾン層を通り抜けられないためである。
実際に降り注ぐ紫外線の割合は、夏の正午だと UVA が95% UVB が5%を占めています。
私たちは地上では、太陽から直接受ける日射と、雲などで散乱された日射を受けている。
さらに地面やアスファルト、建物から反射するため様々な角度から紫外線を浴びていることになる。
また、曇り空でも散乱した日射をうけるため、その50%以上は透過してきている。
紫外線が多くなるタイミング
紫外線が降り注ぐ量は季節、時間、緯度などにより大きく異なります。
- 季節 5~8月はオゾン層での吸収が少なくなるため紫外線量が多くなる。
- 時間 1日のうちで10~14時が最も多く降り注ぐ
- 緯度 赤道に近づくほど、太陽に近いため紫外線も多くなる。
紫外線の反射率
紫外線は思っているよりも反射するため上からの日差しを防ぐだけでは、日常生活で完全に浴びないようにすることは難しいかもしれません。
そのため、スキンケアを考えるうえでは、紫外線対策は必ず考えなければいけません。
反射するもの | 反射率 |
新雪 | 80% |
波のある海上 | 30% |
砂浜 | 10~25% |
水面 | 10~20% |
白ペンキ壁 | 20% |
アスファルト | 10% |
草地・芝生・土面 | 10%以下 |
海水浴に行った際などは特に要注意です。
砂浜からは直射光の10から25%が反射されます。
紫外線は、海水も淡水もよく透過するので、水面下50cmでも40%の紫外線が透過している。
水につかっていても日焼けの防止にならない。
UV-Bの皮膚へ影響
紫外線B波は紫外線のうち5%足らずですが、人間への悪影響は大きくスキンケア対策に最も重要な光線です。
B波はエネルギーが強く主に表皮に急激に作用する特徴があります。
おもに肌の表面で吸収されるため、肌の奥の真皮層まで達することはほとんどありませんが、下記のような症状が現われます。
炎症反応(肌が赤くなる、水ぶくれになる)
赤い日焼け(サンバーン)を起こす作用が強く、UVAの約1000倍ほどの力があります。
症状的には火傷をしたのと同じようなものです。
大量に浴びてしまった場合、水ぶくれを起こします。
光老化(シミやシワなどの老化現象を引き起こす)
B波は角質層を突き抜けて表皮に炎症を起こします。
そのため体は紫外線から細胞のDNAを守るために、メラニン色素を生み出します。
メラニンには紫外線を吸収する力があるので、メラニン製造工場であるメラノサイトに指令が出されます。
しかし強い紫外線を浴びるとメラニン色素は過剰に生成され、その部分はシミができてしまいます。
発がん(皮膚ガンの要因となる)
B波の強いエネルギーは細胞の中にある遺伝子に影響を与えます。
細胞には自己修復機能がありますが、繰り返し紫外線によるダメージを受けるとその機能は正常に働かなくなりガン化してしまうことがあります。
紫外線B波の照射量
一年のうち降り注ぐ量の差が大きくあります。
4月から徐々に増加し、5月~8月がピーク、10月〜3月は比較的少ない傾向があります。
UV-Aの肌への影響
紫外線A波の特徴はエネルギーは弱いものの照射量が多く、皮膚への浸透力が強いところです。
また、赤みや炎症などの目に見えた変化が分かりにくいためA波の影響を実感しにくい。
雲や窓ガラスを通り抜けやすいという性質を持っていて、曇りの日もしっかり降り注いでいるし、日当たりの良い家の中でも気を付ける必要があります。
シワ・たるみ
紫外線A波は、肌の深くまで突き抜けてきます。A波の20~30%は肌の真皮にまで到達します。
真皮に届いた紫外線は、肌の弾力を生み出しているコラーゲンやエラスチンを壊したり、変性させることで弾力を失わせたりします。
このことにより、深いシワができたり、皮膚にたるみが発生してしまいます。
他にもそれらを生み出す工場である線維芽細胞にもダメージを与えます。
このような紫外線による加齢とは違う老化現象を光老化と言います。
シミを作る
A波はメラニン色素の合成を増やすため、シミの原因を作ります。
紫外線A波の照射量
A波の降り注ぐ量は4月~8月が最も多い。
それ以外の月もピーク時の1/2以上の量があります。
紫外線の唯一の利点
紫外線は「百害あって一利のみ」といえるものです。
ほとんどが有害と言えますが、唯一の利点はビタミンDの生合成ができること。
人間は日光から紫外線を受けることによってビタミンDを造り出すことができる。
表皮内で作られたプレビタミンDは、ゆっくりとビタミンDに変換されるため、ビタミンDは血液中で一定の濃度を保っています。
そのためビタミンDの増加を期待して積極的に長時間日光を受けてもビタミンDはある程度以上には増加せず、むしろ皮膚にとっては傷害作用ばかりが得ることになってしまいます。
通常、紫外線を厳密に防ぐ努力をしていても、ビタミンD不足になることありません。
ほんの少しでも紫外線を浴びれば事足りるからです。
ただし、寝たきりの老人などの場合は適度に日光に当たった方が良いでしょう。